すっぴん★
俊介は、素の体の上になりながら目は周りをさ迷っている。
まだまだ、例の毛が気になるらしい。
「気にしない。気にしない」
素に聞こえない位の微かな声で呟くと、俊介は大きな深呼吸をひとつ
した。
(集中。集中)
この言葉を念仏のように唱えると、俊介は素の胸の谷間に顔を埋めた。
俊介の唇が、元の唇に向って這い上がってゆく。激しく、狂おしく、
とろけるように。
次の瞬間、唇で素の唇を塞ぐ。
その直前。
俊介の腕が、どういう訳か、素の頬を撫でた。
「キャーーー!!」
素が部屋中に響き渡る悲鳴を上げた。
「むぐっ!」
俊介は素の悲鳴に、ただただ驚き、体を硬直させた。