すっぴん★

「どうして化粧品メーカーに行こうと思ったの。美術大学を卒業予定
なのに」

美術大学を卒業予定の俊介が、なぜ化粧品メーカーを選択したのか。
素には大いに興味があった。


「すっぴんの君が化粧をした。すっぴんの君も綺麗だけど、化粧した
君の顔は、眩しいほど素敵だった。芸術だと思った。俺の美意識に、
100万ボルトの電流が走ったという訳だ。まさに、感電状態。で、
化粧品メーカーに入り、君をもっと美しくしようと思ったからかな」


俊介が、個性堂を選んだ動機を正直に告白した。


「ふーん。そうだったの。ありがとう。でも、私すぐにお婆ちゃんに
なるわよ。そうなったら、どうするの」


素が、精一杯意地悪な質問を。






< 262 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop