すっぴん★


かおるの酒癖がこれほど悪いとは、俊介は思ってもみなかった。


「すっぴん・・・。それほどでも、ないですよね」


「嘘付け。大好きな癖に。それはど、すっぴんが好きなら、私も・・・。
俊介、おしぼりを持って来い」
「わ、分かりました」


俊介が、おしぼりをかおるに恐る恐る手渡した。


「よ~し。すっぴんになってやるから」
「ま、まさか・・・おしぼりで化粧を落とすつもり・・・。まじっ」


俊介は信じられない、という顔をした。


「すっぴんになってやるから」


酔いの力で、かおるがおしぼりを両手で広げた。そして、何と、その
おしぼりでごしごしと顔を拭き出したのだ。


信じられない。
見ていられない。


俊介は、反射的に瞳を閉じた。






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