すっぴん★
しかし。しかしである。
怖いもの見たさ。
俊介が、恐る恐る薄目を開けた。
全くの予想通り。いやそれ以上。
かおるの凄い顔が、否応無しに俊介の目の中に飛び込んで来た。
その顔は、まるで色が混ざり合う絵の具パレットの様。目だけが異様
に、不気味に輝いている。
「どうだ。俊介。惚れなおしたか」
「心底、まいりました」
俊介は、かおるの言葉に逆らわず、ただただ呆れるばかり。
かおるはビールをがぶ飲みしたせいか、大分酔いが回っている。
この辺が退け時。
俊介は、この場から早く退散するのが得策だと考えて。