すっぴん★
「大丈夫・・・やない」
かおるがよろけた。
「大分、酔いが回ってるじゃないですか」
「おい、俊介。すっぴん美人をおんぶしろ」
かおるが俊介におんぶをせがんだ。
「すっぴん美人・・・」
俊介がかおるの顔をまじまじと見詰めた。
(何がすっぴん美人だ。すっぴんお化けじゃないか)
俊介が、心の中で本音を吐露した。
仕方なく、俊介がかおるをおんぶした。
もう一件はしごするのは、到底無理。
俊介は広い道路に出ると、タクシーを拾いかおるのマンションに送る
事にした。
かおるのマンションは、阪神野田駅のすぐ近くにあった。
女性専用ワンルームマンションの2階。
207号室が、かおるの部屋だった。
幸い、かおるはかなり酔っていたが、意識だけははっきりとしていた。
かおるの指示は的確。
二人は、タクシーから無事かおるの部屋の前へ。
かおるは55キロ位。
ふっくら外観。やや太め。
エレベーターから、一番端の207号室までおんぶして、俊介はもう
くたくた。
急いで俊介は、かおるを背中から下に下ろした。