すっぴん★

だが、摩訶不思議。


鼻が慣れてきたのか、俊介は腐ったような臭いが、余り感じなくなっ
てきた。


住めば、都。


ガラクタ屋敷に住み続けるかおるの心境が、俊介にも何となく分かる
ような気がして来た。


かおるは澄ました顔をして、獣道を猟師のように、のしのしと歩き進
めて行く。
後ろから歩く俊介の気配に、精一杯用心しながら。


かおるの酔いは、完全に醒めているようだ。



では、ガラクタ屋敷に本格的に潜水する前に、ざっとかおるのマンシ
ョンの間取りを説明しておこう。


かおるのマンショは、1Kの1ルームマンション。


玄関を入って左に2畳の台所。
右に下足スペース、浴室、トイレ。


奥が7.5畳の洋室。洋室の右手に小さなクロークが付いている。


玄関を開けると、眼前にガラクタの山。


その山の裾野は台所から、獣道を挟んで、浴室、トイレ近くまで延び
に延びている。






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