すっぴん★
この山の存在が、余りにも異様。
この山の勇姿が、訪問客の度肝を抜き、威圧感をさえ与えている。
俊介は台所らしきモノを一瞥。
汚れた皿やコップが山のように積み上げられているのを、珍しいモノ
でも見るような目で見詰めていた。
(信じられない)
(これが独身女性の住処か)
俊介が冷めた目でかおるを見た。
(この家のコップなら、居酒屋のコップの方が余程綺麗だろう。よく
生きているよな、超不潔女め)
俊介はかおるを軽蔑しながら、ガラクタを掻き分け掻き分け、獣道を
奥へと進んだ。
獣道を突き当たると、そこはベッドだった。
ベッドのすぐそばまで、ガラクタが押し寄せて来ている。
ガラクタたちは、ベットを山の一部に組み入れようと虎視眈々と狙っ
ているようだ。