すっぴん★
だが、かおるはいっこうに止める気配が無い。
「止めないか。こんなゴミ屋敷で。これじゃ、拷問だ」
俊介が渾身の力を出して、かおるを押し退けた。そして、腹立たしさ
の余り本音を吐露してしまった。
「拷問?」
かおるが、その言葉でぴくっと静止。
かおるの顔は蒼白になっている。
「そうだ。潔癖症の僕には、拷問以外の何ものでも無い。こんな汚い
所で、良く住めるものだ。それが、Hを。良く言うよ。ウエッ!気持
ちが悪くてゲロを吐きそうだ」
「ゲロを吐く・・・」
かおるがその言葉を噛み締めるように言った。
余りの侮辱。
かおるの顔は、悔しさの余り引きつっている。