すっぴん★

だが、かおるはいっこうに止める気配が無い。



「止めないか。こんなゴミ屋敷で。これじゃ、拷問だ」



俊介が渾身の力を出して、かおるを押し退けた。そして、腹立たしさ
の余り本音を吐露してしまった。



「拷問?」



かおるが、その言葉でぴくっと静止。
かおるの顔は蒼白になっている。


「そうだ。潔癖症の僕には、拷問以外の何ものでも無い。こんな汚い
所で、良く住めるものだ。それが、Hを。良く言うよ。ウエッ!気持
ちが悪くてゲロを吐きそうだ」
「ゲロを吐く・・・」

かおるがその言葉を噛み締めるように言った。



余りの侮辱。
かおるの顔は、悔しさの余り引きつっている。







< 57 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop