すっぴん★
「この部屋の空気も吸いたくない。ああ、むかむかする。息を止めれ
るものなら止めたい位だ」
自制を投げ捨てた俊介が、オーバーにゲロを吐くしぐさをした。
「ウウウ・・・。言わせておけば・・・。潔癖症!?何が潔癖症や。
神経質の病的野郎が。男ならもっと図太くなりやがれ。ほんまに、小
さい男やで。さぞかし、あそこもちんまいねんやろ。ほら、図星やろ」
「・・・」
俊介は、かおるの逆襲に何も言い返せない。
ただ、目をぱちくりとして、かおるの顔を穴を開くほど見るばかり。
「肝っ玉の小さい神経質野郎なんか。顔も見たくないわ。出て行け!」
かおるは、悔し涙をぽろぽろと零した。そして、山から適当なガラク
タを摑むと、それを思い切り俊介に投げ付けた。
「神経質野郎なんか、今すぐ消え失せろ」
かおるが、クッキーの空き箱を力任せに俊介にほうり投げた
「おっとっとっと」
俊介は、ひょいと体をかわした。
空き箱が宙に浮き、弧を描いて下に落ちた。