すっぴん★
真剣なのか、高橋の目がいやに輝いている。
「付き合う。・・・高橋君と。嘘でしょう」
素は、高橋の言葉が信じられなかった。
「うううん、本気よ」
高橋の顔は、真剣そのもの。
「本当に、本気なの」
「ああ。私、白井の事が・・・」
「・・・ごめん」
(よく言うよ。さっきまで女装をいていた男が。付き合って欲しい?
冗談でしよう)
素は、心の声を高橋にぶつけてやりたい心境だった。
「やっぱ、ごめん。高橋君、女装を止める事は出来ないでしょう。私、
女装であれ、何であれ、化粧をする男性は駄目なの。アレルギーが、
いや身震いさえ出る始末よ。生理的に受け付けないの」
高橋が諦めるように、素は拒絶の意志を歯に衣着せぬ物言いで述べた。