すっぴん★
「女装を金輪際止めると言っても」
高橋が思いつめたように。
「ごめん」
素の意志は固かった。
「やっぱり、駄目か。コンビニに女装なんかで行かなきゃ良かった」
高橋は、可愛そうになるほどしょげ返っている。
「高橋君は男性が好みじゃ無かったの」
素が高橋に冷たく囁いた。
「うううん。全くね。信じられないかも知れないけど。実は、自宅で
こっそり変身し、可愛く女装出来た時は、その姿をインターネットに
投稿したりして・・・」
「へえ、そうなんだ」
「時々、写真を見た男性から、会いませんか、なんてね。そんな時、
ちょっと引いてしまうの」
高橋がちょっと恥ずかしそうに。
「どうして?」
素が高橋に呟いた。