満月の人魚
丈瑠は真剣な顔で頷いた。

二人の間を強い風が吹き抜けていく。

それまで座って話していた丈瑠は突如立ち上がり、瑠璃を見下ろしながら告げる。

「よし。決まりだな。決行は……二週間後の満月の夜。」

“満月の夜”

瑠璃の中でいつか見た夢の中での母の声が聞こえる。

“満月の夜だけよ”

満月の夜に何かが起こる。

しかしそれが何かは今の瑠璃にはわからなかった。
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