満月の人魚
瑠璃を背にかばうようにして前に立つ丈瑠もまた、険しい表情で父を睨んでいる。
「瑠璃は返してもらうぞ。」
「返す?……そうか、お前はあの村の…。瑠璃に入れ知恵したのもさてはお前か。」
父の顔がより一層険しいものへと変化していく。
「悪いが私も人魚を諦める気はないんだよ。君達では不老不死の素晴らしさもわからないだろう。」
「不老不死は瑠璃が伴侶を得る為のものだ!お前の私利私欲を満たす為のものじゃない‼︎」
「子供が何とでも言うがいい。しかし瑠璃は渡さないぞ。」
言い合う間にもじりじりと後退し、瑠璃と丈瑠は窓際へと追いやられていく。
「瑠璃は返してもらうぞ。」
「返す?……そうか、お前はあの村の…。瑠璃に入れ知恵したのもさてはお前か。」
父の顔がより一層険しいものへと変化していく。
「悪いが私も人魚を諦める気はないんだよ。君達では不老不死の素晴らしさもわからないだろう。」
「不老不死は瑠璃が伴侶を得る為のものだ!お前の私利私欲を満たす為のものじゃない‼︎」
「子供が何とでも言うがいい。しかし瑠璃は渡さないぞ。」
言い合う間にもじりじりと後退し、瑠璃と丈瑠は窓際へと追いやられていく。