満月の人魚
「…瑠璃、聞いてくれ。この先にある駅から、N県に向かう電車が出ている。瑠璃は朝になったらその電車でN県に向かうんだ。必要な物はリュックに入っている。何も心配はいらない。」
丈瑠は瑠璃の瞳を真っ直ぐ見つめながら、真剣な顔で一気に告げる。
いつもの意志の強さを感じさせるその瞳が、今は少し翳って見えた。
「…N県には行くわ。あなたと一緒に。」
瑠璃も毅然とした態度で告げる。
丈瑠を置いて何処かに行ったりなんかしない。
「……俺がいなくても行くんだ。」
「嫌よ。」
目頭が熱くなって涙が滲んでくる。
丈瑠が最期を覚悟している事が、とてつもなく悲しく切ない。
丈瑠は瑠璃の瞳を真っ直ぐ見つめながら、真剣な顔で一気に告げる。
いつもの意志の強さを感じさせるその瞳が、今は少し翳って見えた。
「…N県には行くわ。あなたと一緒に。」
瑠璃も毅然とした態度で告げる。
丈瑠を置いて何処かに行ったりなんかしない。
「……俺がいなくても行くんだ。」
「嫌よ。」
目頭が熱くなって涙が滲んでくる。
丈瑠が最期を覚悟している事が、とてつもなく悲しく切ない。