ロリポップ
「あれ、瑛太、まだなの?」
友華に聞きながらコートを脱ぐ。ダークグレーのコートを受け取ってハンガーに掛ける。
触りのいいいかにも高級そうなコートからは煙草の匂いがする。
「なんか、ちょっと遅くなるって。もうすぐ来るんじゃない?」
友華の言葉が終わった瞬間、今、閉めたはずの襖が再び開けられて人の良さそうな顔が見えた。
「瑛太!お疲れ」
そう言ってさっと立ち上がり、着ていたコートを脱がせるとハンガーに掛けた友華・・・林田君の時とは大違いだわ。
下から見上げる私の視線に気づいた友華は、
「健成のはいいのよ、誰がやったって。瑛太のはダメなの」
「はいはい、分かってますって」
毎回毎回、同じ事言ってますけど、友華。
瑛太に恋愛感情のかけらもありませんから。
高校時代の同級生の瑛太。
入社式で久しぶりに会ってびっくりしたわよ、全く変わってなくて。
マイペースな性格も健在のようで、人に惑わされない所が好きだった。あ、恋愛感情ではなくて、人として。
私が林田君と仲良くなった様に、友華も瑛太と仲良くなって、好きになって・・・現在に至る。
見た目はごく普通・・・かな。ごめん、瑛太。
笑うと線みたいになる目が可愛いって友華は言ってるけど、うなぎ並みに目が細いからだとはとても言えない。
今更、突っ込む気にもなれない二人・・・。
林田君も全く気にするでもなく、まあ、彼氏のいる人には手を出さないってのがマイルールらしい彼は、メニューを広げて友華の様子なんてどうでもよさげ。
この四人、お互いに食指の動かない四人でもある。
友華と揉めるのとか、本当、勘弁して欲しいし。
絶対、毎回、果たし状を送りつけてきては成敗!!ってやられるに決まっている。
「後輩連れて来たんだけど、いい?」
「「「後輩??」」」
私達、三人の声が重なった。
「健成は知ってる。営業のヤツだから。恩田~」
恩田?
私と友華は誰?と顔を見合すけれど、林田君は、侑ね、とやっぱり知ってるふうだ。
「俺の仕事を手伝ってもらってて今日は遅くなるから、飯、奢ってやるって話してたら友華から召集かかって。一緒でもいいよな?」
「私はいいけど・・・音羽は?」
「私?いいよ」
後輩って言っても私には分からないし、結局飲むのは同じ。
それに、一緒に来てるんだったら、今更な気もする。
そこがマイペースなんだよ、瑛太・・・。
「俺にも一応聞けよ~」
林田君が拗ねる様に口を尖らせて言うのを三人で見なかったことにして。
いい大人がやっても、全く可愛くないから・・・それ、と心の中で突っ込んだ。
友華に聞きながらコートを脱ぐ。ダークグレーのコートを受け取ってハンガーに掛ける。
触りのいいいかにも高級そうなコートからは煙草の匂いがする。
「なんか、ちょっと遅くなるって。もうすぐ来るんじゃない?」
友華の言葉が終わった瞬間、今、閉めたはずの襖が再び開けられて人の良さそうな顔が見えた。
「瑛太!お疲れ」
そう言ってさっと立ち上がり、着ていたコートを脱がせるとハンガーに掛けた友華・・・林田君の時とは大違いだわ。
下から見上げる私の視線に気づいた友華は、
「健成のはいいのよ、誰がやったって。瑛太のはダメなの」
「はいはい、分かってますって」
毎回毎回、同じ事言ってますけど、友華。
瑛太に恋愛感情のかけらもありませんから。
高校時代の同級生の瑛太。
入社式で久しぶりに会ってびっくりしたわよ、全く変わってなくて。
マイペースな性格も健在のようで、人に惑わされない所が好きだった。あ、恋愛感情ではなくて、人として。
私が林田君と仲良くなった様に、友華も瑛太と仲良くなって、好きになって・・・現在に至る。
見た目はごく普通・・・かな。ごめん、瑛太。
笑うと線みたいになる目が可愛いって友華は言ってるけど、うなぎ並みに目が細いからだとはとても言えない。
今更、突っ込む気にもなれない二人・・・。
林田君も全く気にするでもなく、まあ、彼氏のいる人には手を出さないってのがマイルールらしい彼は、メニューを広げて友華の様子なんてどうでもよさげ。
この四人、お互いに食指の動かない四人でもある。
友華と揉めるのとか、本当、勘弁して欲しいし。
絶対、毎回、果たし状を送りつけてきては成敗!!ってやられるに決まっている。
「後輩連れて来たんだけど、いい?」
「「「後輩??」」」
私達、三人の声が重なった。
「健成は知ってる。営業のヤツだから。恩田~」
恩田?
私と友華は誰?と顔を見合すけれど、林田君は、侑ね、とやっぱり知ってるふうだ。
「俺の仕事を手伝ってもらってて今日は遅くなるから、飯、奢ってやるって話してたら友華から召集かかって。一緒でもいいよな?」
「私はいいけど・・・音羽は?」
「私?いいよ」
後輩って言っても私には分からないし、結局飲むのは同じ。
それに、一緒に来てるんだったら、今更な気もする。
そこがマイペースなんだよ、瑛太・・・。
「俺にも一応聞けよ~」
林田君が拗ねる様に口を尖らせて言うのを三人で見なかったことにして。
いい大人がやっても、全く可愛くないから・・・それ、と心の中で突っ込んだ。