シークレット・ガーデン


その文面からは、何か下心があるようには、感じられない。


でも、司だって男だ。
過去に関係があった真彩を
『たやすい女』と見ているかもしれない。

もし、司の家で誘ってくるようなことがあれば、その時はその時でもう金輪際、彼とは縁を切ろう、と思う。


優美子にメールを送り、司の家に泊まる為のアリバイを頼んだ。


もし万が一、夫にどこにいたのかと問い詰められた時、堂々と司の家に泊まったと言えるわけがない。


真彩が独身だった頃、司や他の彼氏達と夜を過ごす為に優美子にアリバイを頼むのは毎度のことだった。

……真彩の母親は、もちろんお見通しのようだったけれど。


優美子が彼氏とお泊まりの時は、真彩の名前を親に伝えていたから、お互い協力しあっていた、ということになる。


今更、優美子にそのようなお願い事をするには、ちゃんと理由を明かさなければならなかった。


いくら優美子が姉妹のような存在だと言っても、光俊との行為中に、なぜか司の名前を呼んでしまったことやそれが原因で、ぶたれてしまったことを打ち明けるのはちょっと勇気が要った。


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