イケメンルーキーに恋をした
「とありあえず、まぁ……おめでとうございます」
クルリとあたしを振り返ってぶっきら棒に言った田尾くんは、少しというか、かなり照れているように見えた。
「覚えててくれたんだ」
ドドドドドドドドドドド……。
ダメだ。
あり得ないくらい鼓動が速くなってる。
プレゼントを持つ手が、小刻みに震える。
「まぁ、自分で聞いたからには覚えてないと」
そう言って、後頭部をかく田尾くん。
おでこをかいたり、耳のうしろをかいたり、腕をかいたり。
珍しく落ちつきのない彼に、あたしまでどんどん冷静さを奪われていく。
「あ、開けてもいい?」
早口で田尾くんに言うと、彼は首を亀のように前に出して頷いた。
緊張で思うように手が動かない。
簡単に開けられるはずの袋がなかなか開けられず手こずっていると、田尾くんにフッと笑われてまた冷静さを失う。
何とか袋を開け、中に手を入れると、毛糸の温かさに手が埋まった。
「……マフラー」