イケメンルーキーに恋をした


中から出てきたのは、ざっくり編みの真っ赤なマフラーだ。


「かわいい……」


自分では真っ赤なんてちょっと奇抜かなと思って選べない色だけれど、それは本当に可愛くて思わずため息が漏れた。


「一応、先輩のイメージで選びました」


「あたしの、イメージ?あたしのイメージ、赤?」


あたしが聞くと、田尾くんはもっと照れるようにあたしから目を逸らす。


「その大きな編み方が、先輩の大胆な行動っぷりを表わしてるみたいだし、いつも全力で動く先輩は赤ってイメージでしょ?」


……そ、そうかな。


あたしも照れてきて、穴があったら入りたくなる。


「それに……」


田尾くんはそこで言葉を区切ると、チラッとあたしに目を向けた。


「先輩気づいてます?」


あたしは首を傾げる。


「俺を見る時の先輩の表情」


「…………」


田尾くんが言葉を区切り区切り言う度に、鼓動の速さが増していく。


「いつも、真っ赤っすよ」



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