イケメンルーキーに恋をした
静かな風が、あたし達の間を通り抜けていった。
「俺が言ったんです。先輩の誕生日を祝うのは、今年は俺が一番でありたいって」
……え?
「ガキでしょ?笑いたいなら笑っていいけど、それが俺に出来る、先輩への最大級のプレゼントだから」
田尾くんが鼻の頭をかいた。
やり辛そうに首まで傾げて、眉間をポリポリ。
さおりは、覚えてないんじゃなかったんだ……。
田尾くんから言われたから、わざと……。
「先輩さ」
核心に迫るように、ジワジワと言葉を続ける田尾くん。
「好きでしょ?」
「…………」
「俺のこと」
もう、ダメだ。
抑えられない。
田尾くんを好きだというこの大きすぎる気持ちを、胸に秘めておくことは出来なかった。
田尾くんは一瞬あたしと目を合わしたけど、またすぐに逸らし首の後ろに手を当てた。
「なんて。冗談っす。ははっ。俺アホか。何言ってんだか。寒いし、もう帰りますか」
「…………」
田尾くんは、あたしに背中を向けて歩き出した。