イケメンルーキーに恋をした
田尾くんの手が、グルリと回したあたしの手に触れる。
ゆっくりあたしの手を自分の体から解くと、あたしを振り返った。
恥ずかしさのあまり、グッと俯いて黙ると、田尾くんは深く息を吐いた。
「そこで黙ってどうするんすか?」
「…………」
「あるんでしょ?俺に言いたいこと」
ムカつく。
どうせ、あたしから出てくる言葉は何か分かってるんでしょ?
どうして、そう余裕なの?
ムッとして田尾くんを見上げる。
パチパチと点灯し始めた街灯に、あたしをからかうようで、でも優しい田尾くんの表情がぼんやりと浮かぶ。
田尾くんが、あたしに言葉を催促するように「ん?」と眉を上げる。
ずるい。
ずるい。
ずる過ぎる!!
もう知らない!!
当たって砕けろだ!!