イケメンルーキーに恋をした


「言うタイミングがなかったんだ。試合が終わってすぐに引退して……。田尾に話しかけようにも、アイツ、明らかに俺を避けてたから」


……すれ違い、ってヤツ……?


田尾くんも、先輩の話を聞こうとすればよかったのに。


今でもそれが出来ずにコソコソ覗きに来てるって、ただ逃げてるだけじゃん!!


「日高先輩!」


先輩があたしを見て眉を上げる。


「田尾くん、毎週先輩の様子を高校に見に行ってるんですよ!」


岩石先輩も、そうそうと大きく頷く。


「田尾くん、ずっと先輩の様子が気になってて、だけど怖くて直接会いに行けなくて」


「…………」


「田尾くん、今でも現実から逃げてます。きっと先輩に会えば冷たく突き放されると思ってるんじゃないでしょうか」


田尾くんが恐怖で行動を起こせないのなら、あたし達が起こすしかない。


きちんと、先輩と田尾くんを会わせて……。




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