先天性マイノリティ
「でもさ、零時なんて楽しい名前だよね。本当に"ゼロジ"に生まれたの?」
「レイジだ」
初めにゼロジと呼び始めたのはコウで、面白がったメイがつられて口にしてからは、いつの間にかクラスのやつらにもゼロジくん、の愛称で通ってしまった。
…最近呼ばれ慣れつつある俺も中々ふざけているとは思うけれど。
放課後だけではなく、次第に休み時間や昼休みにも三人でつるむようになった。
大抵コウが二年の廊下に降りて来て俺のクラスの前でメイと合流。コウもメイも校内で人気が募る人種で、どうやって二人と親しくなったのかと周囲から散々質問を受けたものだ。