センチメンタル*宅配便
「君は私が知らないようなことをたくさん知ってるんだね」
全て君が考えたお話だとしても、君の話すクルックポーはユートピアのようだった。
「だって、126歳だもの」あどけない表情で笑う君につられて思わず笑みがこぼれた。
「あ、お姉さん、今、笑ったね?」君は驚いたように私の顔を指差した。
何を言われたか解らなくて「え?」と訊き返す。
「お姉さんがボクと出会ってから初めて笑ったんだよ」
「そうだった?」
「そうだよ」と君は頷く。
私、笑ってなかったんだと少し驚いた。
愛想笑いを浮かべているつもりでも、表情が固くなってたのかもしれない。
君の話すクルックポーの話が面白くて、そういえば面白いって思ったのいつぶりだろう。
そう考えると恥ずかしくなり、私は俯いた。
月が満ちていくに連れて、私と君の距離は縮まっていった。
「クルックポーには、少しの光で光合成が出来る植物がたくさんあるんだ。ここじゃ見たことない植物だよ。だから地下世界の中には酸素もあるんだ」
「クルックポーの真ん中にはマチマチって言われるシティがあるんだ。その他の所は全部自然なんだよ。クルックポー人は自然と共有する人種だから、地下世界の1部だけを借りて、人々は高い科学技術を発展させたんだよ。自然を壊さずに、自然にあるもので自分たちの暮らしを豊かにする。クルックポー人は努力家なんだ」
君の話すクルックポーにもだいぶ詳しくなった。
毎日、明け方に君と別れると、夜が待ち遠しくなった。