美術部ってさ!
「…では、椿君…出来るだけ主観のフィルターを外して下さい…」

「はぁ…?言ってる意味が良く分からんぞ…分かるように説明してくれ…」

椿はポカーンとして、首をかしげた。

「う〜ん、そうですね…分かりやすく言うと、感情は邪魔になるので捨てて下さい…例えば゛髪の毛どうなってるんだ?゛とか゛服のしわ描くのめんどくせぇ゛とかですね…」

「あ〜つまり、何も考えるなって事か?」

「まぁ、平たく言うと、そういう事になりますかね…コピー機にでもなったつもりで、描いてみて下さい…機械は無感情でしょう?」

「あ〜分かった、コピー機だな!コピー機、コピー機…」

ブツブツと呟きながら、椿はデッサンに向き直った。

描き方の基礎は、すでに榎本からレクチャー済みだ…

「あ、それから、その石膏像゛パジェント゛と言うんですけど、彼に敬意をはらって下さい…」

「悪い…分かりやすく言ってくれ…」

椿は一心不乱にエンピツを走らせながら、呟いた。
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