美術部ってさ!
「お前以外、部員っていないのか?」

冬馬も、油絵を描く手を止めずに答えた。

「いえ…ゆーれー部員を含めて、12人ほどいますよ…」

「へ〜」

「今日は、たまたま僕一人ですけど…基本、文化祭までに作品を仕上げればOKで、出席は自由なんですよ…」

「へ〜いいな、それ…」

「ええ…そう言えば、椿君は何部ですか?」

「あ〜オレ?帰宅部…」

「へ〜、うちに入ったらどうですか?帰宅部よりも、内申上がるかもしれませんよ?」

「あ〜そうかもな〜考えとく…」

「あ…ただうち、変人が多いですけど、それでも良ければ…」

「お前な〜変人とか言うなよ…せめて、変わり者って言え…」

「ははは…椿君は、お優しいんですね〜そう言えば、絵にも出ていますしね…」

「…勝手にオレの内面、のぞくのやめてくれ…今度、冬馬の絵見てやり返すぞ…」

「それは、いやですね…」

クスッと冬馬が笑った後、二人は自然に黙り込むと作品に没頭した。
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