パツ子と甘えん坊くん。
「…こ、小夏…?」
真琴は恐る恐るあたしの顔を覗き込んだ。
あたしは真琴の方に見向きもせずに、菜緒に潰された頬をまた膨らませる。
「…まだ怒ってる?あれはごめんって、つい小夏に甘えたくなって…」
真琴は卑怯だ。
甘えたくなってなんて言われたら怒れないじゃんか…。
弱気の真琴が珍しいのか、クラスの男子はケラケラ笑いながら見ている。
それを気にせず、真琴は必死にあたしの顔を覗き込んでくる。
何か真琴が可哀想になってきた。
そもそも真琴は何も悪いことしてないのに、勝手に怒ってて何だかこっちが申し訳ない気持ちになる。
もういいか、こんなに謝ってくれてるし。
と、自己解決。