パツ子と甘えん坊くん。
小夏から抱き締めてくるなんて、地球に隕石が落ちて来るほど珍しいことだ。
いつもは俺が傍に近付いて、そっと小夏を抱き締めたり抱き寄せたりしてた。
あ…、もしかして…
俺がまた健に嫉妬しないように近くに来てくれたの?
俺に余計な迷惑かけないようにしてくれたの?
当の本人は黙ったまま、俺のコートに顔を埋めてるから真相は分からない。
でももしそうだったら嬉しい。
俺が前、健に嫉妬した時、小夏も自分のお母さんに嫉妬したと言ってくれたことがあった。
その時のようにならないようにしてくれてるようにしか見えない。