パツ子と甘えん坊くん。



真琴ははにかんだ笑顔であたしを見た。



「驚かせようと思って、毎朝聞いてたおばさんの怒鳴り声を頼りに真似してみた。どう似てた?」



首を傾げて笑う真琴を見た時、目から自然と涙が出ていた。



真琴だ…
ずっと会いたかった人。
ずっと声を聞きたかった人。
ずっと傍にいて欲しかった人。



それが今あたしの目の前にいる。



「…ま、まこ、とぉ〜…」



思わず真琴に抱きついた。
小さい身体で、必死にしがみつくように真琴に抱きついた。



泣き出すあたしに驚いたのか、真琴は固まっていた。



やがて泣いているあたしの頭を撫でて、しばらくそのままでいてくれた。



あたしのいて欲しい時に来てくれる。
そんな真琴が大好きなんだ、あたしは。


< 61 / 236 >

この作品をシェア

pagetop