パツ子と甘えん坊くん。



しばらくすると涙が止まってきた。
真琴もそう感じたのか、抱きしめていた手を解いてあたしの顔を覗き込む。



「…どう?落ち着いた?」



口から言葉か出なくて、目を擦りながらコクリと頷く。



あたしの行動に何を感じたのかは知らないけど、真琴はあたしの頭を子供をあやすように優しく撫でた。



子供扱いすんな、バカ…



と言いたかったけど、真琴分が足りてないあたしにはちょっと嬉しかった。



真琴はあたしの前髪で作ったちょんまげを触ってきた。



「小夏、ちょんまげだ」

「うっさい!前髪が邪魔だったから縛っただけだ!」



あたしの相変わらずのツンが発動した。
そしてちょんまげを触られて幸せなひと時から我に返る。



そういえばあたし風邪ひいてたんだった!
それなのに真琴に会った瞬間、抱きついしまった!


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