*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「………なんか、におうわねぇ」






そう呟き、六の君は青年に顔を近づける。







「蘇芳丸!!


今から身体を拭きましょうか!!」






「…………??」







活き活きと瞳を輝かせて言う六の君に、青年は辟易する。







「よく考えたら、この数日の間、怪我をしていたから湯浴みもしていないし、髪も梳いていないものね。


心地が悪いでしょう?



傷もずいぶん良くなってきたみたいだし、今日は身体をきれいにしましょ」







「……………」








青年は不愉快そうに顔を背け、黙って再び横になった。








「あらぁ、いやなの? 蘇芳丸」






「……………」






「まぁ、だめねぇ、蘇芳丸ったら。

ほんとに我儘なんだから。


仕方がないわね、私が洗ってあげるから」







「…………っ!?」






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