*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
青年が目を剥いて身を起こし、六の君を凝視した。
その反応に気をよくした六の君は、にこにこと微笑みかける。
「よし! そうと決まったら………」
「……………や」
青年が何か言いたそうにしたが、六の君は意にも介さない。
「私、さっそく準備をしてくるわね。
まず、お湯を沸かして………。
髪梳きをするから、泔(ゆする)も用意しなきゃいけないし、道具も要るわね。
ああ、時間がかかりそうよ。
蘇芳丸、しばらく待っててね。
あ、おりこうさんに寝てなきゃだめよ?」
そう言って、六の君は人差し指を立てる。
次の瞬間にはすくりと立ち上がり、止める間もなく塗籠を出て行ってしまった。
ぽつんと取り残された青年は、呆然とした表情でその後ろ姿を見送るしかなかった。
その反応に気をよくした六の君は、にこにこと微笑みかける。
「よし! そうと決まったら………」
「……………や」
青年が何か言いたそうにしたが、六の君は意にも介さない。
「私、さっそく準備をしてくるわね。
まず、お湯を沸かして………。
髪梳きをするから、泔(ゆする)も用意しなきゃいけないし、道具も要るわね。
ああ、時間がかかりそうよ。
蘇芳丸、しばらく待っててね。
あ、おりこうさんに寝てなきゃだめよ?」
そう言って、六の君は人差し指を立てる。
次の瞬間にはすくりと立ち上がり、止める間もなく塗籠を出て行ってしまった。
ぽつんと取り残された青年は、呆然とした表情でその後ろ姿を見送るしかなかった。