*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「さぁ、蘇芳丸。
用意ができたわよ」
六の君は、うきうきとした表情で様々なものを塗籠に持ち込んだ。
鏡台と、それに懸ける鏡や羅紐、入帷などが入った鏡筥(かがみばこ)。
櫛などの理髪具を入れた打乱筥(うちみだりばこ)。
髪を梳くために使う泔(米の研ぎ汁)を入れる泔坏(ゆするつき)。
身体を拭くために沸かした湯を入れた角盥(つのだらい)。
それらを、ひとつひとつ青年の褥の周りに並べていく。
「お湯が冷えたらいけないから、まずは身体からきれいにしましょうか。
さ、蘇芳丸、脱いで」
「…………」
青年は呆れたように六の君を見つめ返す。
しかし六の君が嬉しそうににっこり笑って待っているので、根負けしてしまい、眉根を寄せながら小袖を肩脱ぎした。
用意ができたわよ」
六の君は、うきうきとした表情で様々なものを塗籠に持ち込んだ。
鏡台と、それに懸ける鏡や羅紐、入帷などが入った鏡筥(かがみばこ)。
櫛などの理髪具を入れた打乱筥(うちみだりばこ)。
髪を梳くために使う泔(米の研ぎ汁)を入れる泔坏(ゆするつき)。
身体を拭くために沸かした湯を入れた角盥(つのだらい)。
それらを、ひとつひとつ青年の褥の周りに並べていく。
「お湯が冷えたらいけないから、まずは身体からきれいにしましょうか。
さ、蘇芳丸、脱いで」
「…………」
青年は呆れたように六の君を見つめ返す。
しかし六の君が嬉しそうににっこり笑って待っているので、根負けしてしまい、眉根を寄せながら小袖を肩脱ぎした。