*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「もちろん、あるわよ」






六の君が当たり前のように答えた。






「恥じらいでしょ?

あるに決まってるじゃないの。


そもそも、恥じらいのない人間なんて、いないんじゃない?


蘇芳丸ったら、なんでそんなことを訊くの?」






「…………………」







もはや言葉が通じないとしか、青年には思えなかった。





話にならない、と嘆息し、説得は諦めることにする。







「………とにかく。


大の男の裸を、そんなに軽々しく見るなよな。


お前、貴族のお姫さんのくせに、一体どういう神経してるんだよ」







六の君の目が大きく見開かれた。




ちゃんと心に響いてくれたのかと青年は期待したのだが。





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