イケメンの顔面踏んづけた結果。




「きみちん!ここの縫い方これであってる?」


「うん、オッケー」



学園祭の準備もいよいよ大詰め。



だんだん形になってきた。




「…岡!」


「ん、何?」



ふ、と振り向くとどこか緊張した面持ちの関口が。



「あのさ…今ちょっと大丈夫?」


「うん?平気だけど」




関口に促されるまま、教室を出る。



みんな準備に夢中で、あたしと関口のことを気にしてる人は、いない。



「…学園祭のことなんだけどさ、」


「あー、うん!
関口さえ良かったら一緒にまわろ?」



「えっ…マジ?いいの?」



ちょっと驚いたように、目を見開く関口。




「うん、きみちん杉本葵と一緒にまわるらしいし」



「そっか…よかった」



ふっと嬉しそうに微笑むから、なんだかあたしまで嬉しくなった。



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