黒鴉-黒の王-
「あの・・・
聞きたいこと、いっぱいあるんですけど、、、。
ここはどこで一体私どんな状態でここにいたんですか?」
おじさんが少し考えてから言い始める。
「驚くじゃろうが落ち着いて聞いてくれ。
ここはな・・・妖怪の世界じゃ。人間の世界からは遥か遠いな。
そしてワシは三つ目入道、そして芙蓉はろくろ首じゃよろしくな」
「妖怪の世界・・・・・・・」
開いた口がふさがらない。
「この世界にはたくさんの時空と時空を繋ぐ入口のようなものがあるんじゃ。
ひとつは繋がりのために、ひとつは均衡のために。
そしてここは時の狭間といってな、この世界とほかの世界との時と時を繋ぐとこなのじゃ。
そしてワシはこの世界の時の狭間の番人じゃ。
そしてここは人間の世界で言う烏丸(からすま)神社じゃ、知っているかえ?」
「あ、はい・・・。私、そこからこっちに来て・・・」
これまでの状況を順に話していった。
まぁ追われてたところは割愛したけど。
そして闇の中で聞こえた声のことは言わなかった。
なんだか言ったらいけない気もしたし、なによりもあの寂しそうな細い声を思い出したからかもしれない。