黒鴉-黒の王-



「そうかそうか。


カラスに謎の光か・・・」



「その神社のカラスって・・・

やっぱり帝様のなんじゃないの?」



「うむ・・・・」



妖怪の世界とか世界の狭間とか・・・


想像を超えたものばっかりでよくわからないけどここがとんでもないところだってことくらいは理解できた。




嘉六さんが一層深刻な顔をして一度咳ばらいをして座りなおした。

「変な質問だとは思うのじゃが・・・

最近カラスに導かれた以外で、烏丸神社に行ったことがあるかのう?」



「いいえ。

まあ・・・子供のころはよく行ってましたけど、最近じゃさっぱり。

カラスって・・・カラスに何かあるんですか?」



俯き考えていた嘉六さんがのっそりと顔を上げる。

その表情は決してさっきまでの明るいものなんかではない。



「この世界でカラスは帝様、すなわち王のしもべの存在なのじゃよ。

なんだまた・・・・」




芙蓉さんが今度は顔を上げた。


「帝様はこの世界じゃすべてを統べる存在で、烏丸神社はそしてまた朝廷ともつながりの深いところなのよ。


だからそんな烏丸のカラスなんてもう帝の直轄のもの。

次元と次元を繋ぐ力がある人なんて帝くらいしかなんて想像できないわよ」




「やはり・・・そうかのう」




なんだかもうここまで来ると本当によくわかんなくなってきた。

私が今ここにいるのは誰かの意思があったってこと?


あのときはどうしても逃げたくてあの穴に飛び込んだけどあれは偶然じゃなくて意味があったの?



これは何?





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