サヨナラのしずく
お葬式はユウカさんと幹部の人たちが仕切って無事に終わった。



あたしはと言うと、ただずっといただけだった。



幹部の人たちやカズキさんたちが何度かあたしに向かって“大丈夫か”って訪ねてくれたけど何も答えなかった。



だって、大丈夫じゃないよ。




お葬式が終わり、火葬場まで一緒に付いていった。



普通、火葬場は身内だけだったりするけど、たくさんの人が一緒に来ていた。





「いやぁー!あたしも一緒に死ぬ!置いてかないで!」





あたしは柩にすがり付いてそう叫んでいた。




あたしは本気でタクミさんと一緒に焼かれてもいいと思った。



それなのに、それを止めたのは俊平だった。





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