ゴッドネス・ティア
「もう体調は大丈夫なんですか?」


「おう、もうバッチリー!!」



心配そうに首を傾げるヒサノにニカッと白い歯を見せて答えた。

それにしてもヒサノと比べても、女性のわりには高身長だなと、まだまだちびっこいアランは下から女性を見上げて思った。

たしかに女性は高身長で、きっとレオナなんかと比べても同じくらいかそれを越えているかだ。


スノーリアとまではいかないが、平均的な女性より大分高い。



「…つーか、ここどこー?」



寝起きなのか眠たげに目を擦りながら辺りを見渡す女性。

彼女からしてみれば目が覚めたらここにいた、というわけなのだろうから此処がどこなのかも自分達や国王騎士と行動を共にしているのもさっぱりとわかっていないだろう。

にしては、落ち着いていて取り乱してはいない様子。

昨日ほんの少し目が覚めて一暴れしたときになんとなくわかったのだろうか。



「ここはね、ケルサニオスを大分ぬけた山道。
今、みんな食料集めに出かけてるから、もう少ししたら帰ってくると思うよ」


「ふーん……………。
じゃ、ケルサニオスはどうだった?」



アランが自分なりに丁寧に説明してやると自分が質問したくせに興味なさげな返事が返ってきて、話題を変えられた。

相変わらず興味なさ気な表情だが、やはり住んでいた街だ、気になるのだろう。


だが、現実はそう優しくない。

いい答えを持ってきたいところだが、そんなものもっていなかった。



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