無垢なヴァンパイア


「な、なに?!よ、ヨトを排除しただと!?き、貴様ら何者だ!?」


カイの答えを聞いた途端、酷く狼狽えるダンカン。


「ハンター会の者、と言っておきます」


「は、ハンター会…?…最早ここまでか…」


ダンカンが想像に反して素早く動いて、自らのピストルを取り出し、自分の心臓に当てて引く。


否、引けなかった。


リルアがダンカンに走っていき、発砲する前に銃を弾いたから。


人間には難しいだろうが、私にはこんなの簡単。


呆然としているダンカンに伸ばした鋭い爪を当てる。


ちなみに力のあるヴァンパイアなら自分の体を変形させることは造作ない。


爪なんて朝飯前よ。


「貴方、ヴァンパイア界の重鎮の1人、〜に人間の血を提供していたわね?」


自殺すら阻まれたダンカンの目は虚ろだったが、リルアを見た瞬間恍惚とした表情になった。






< 38 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop