シンデレラのSweetなお時間



素の私は相変わらずで、写真の人物が自分だなんて今だに信じ難い。

だけど、あの日の感覚を確かに覚えてる自分がいて





『自信持て』





背中を押す手の冷たさも、消えずにいる。



(ファイル、ファイル…)



そうガチャっとドアを開けやってきた資料室で、私は一人指定されたファイルを探す。



(あれ?どこだろ…)



ところが見つけられないファイルにひたすらキョロキョロとしていると、不意に後ろから伸びてきた手が私の目線より一段低い棚からファイルをひとつ抜き取った。



「昨年データは、これだろう」

「あっありがとうござい…って澤村主任!」



それは背後からやってきていたらしい澤村主任の手で、突然の登場に驚く私に彼は相変わらずの表情でファイルを手渡した。



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