ほのかハイスクールグラフィティ

エピローグ

（まだ、わたしには早いかな？恋)
　高校一年生、１６歳。クラスではカップルたちが恋に花を咲かせている場を良く見かける。
　羨ましくないと言ったら嘘だ。
　でも、無理する事はないよね。
　人はそれぞれのペースがあるのだ。
　わたしはわたしで自分のペースで歩こう。
「な、なんか知らないけど、ほのか、あなた、急に大人びたんじゃない？それってわたしの気のせい？」
「さあ、どうかしら？ご想像にお任せするわ。ねえ、ほら、見て、愛海。桜の花びら。雪みたい」
　わたしと愛海が肩を組みながら歩く校庭に穏やかな風が吹き、桜が舞い始めた。
　わたしは左肩に落ちた桜の花びらにそっと微笑みかけるのだった――