ほのかハイスクールグラフィティ
親友の大岡裁き
(1)
「夏になると想い出す 遥かな尾瀬 遠い空……ねえ、ほのか、尾瀬ってどこ?」
「わたしに聞かれてもねぇ……わたしにだって尾瀬なんかどこにあるか、わからないわよ。きっと、日本のどこかでしょう?」
「ほのか、馬鹿にしているでしょう?それぐらいの事はわたしにだって、わかるんだから!」
むくれて、頬を膨らませる愛海にわたしは、ニコッと笑って、
「冗談、冗談。確か群馬県だったと思うよ。水芭蕉が一面に咲いている湿地帯だって聞いた事があるわ」
「そっかぁ、行ってみたいなあ……これからがシーズンでしょう?で、群馬県ってどこ?」
「知らないわよ」
またまた膨れる愛海にわたしは苦笑して、
「確か、関東の方じゃなかったかな。」
「関東かあ……遠いなぁ……」
愛海はそう言って天を仰いだ。
まあ、単なる思いついたってだけだろう。いつもの事だ。わたしは気にしない事にした。
「もうそろそろお昼休みが終わる時間になるよ、いこっ!愛海」
「うん、わかった」
親友の手を取って、屋上から階段を降りようとした時に後ろから声がかかった。
「ちょっと待ってくれないかな?矢沢さん」
「わたしに聞かれてもねぇ……わたしにだって尾瀬なんかどこにあるか、わからないわよ。きっと、日本のどこかでしょう?」
「ほのか、馬鹿にしているでしょう?それぐらいの事はわたしにだって、わかるんだから!」
むくれて、頬を膨らませる愛海にわたしは、ニコッと笑って、
「冗談、冗談。確か群馬県だったと思うよ。水芭蕉が一面に咲いている湿地帯だって聞いた事があるわ」
「そっかぁ、行ってみたいなあ……これからがシーズンでしょう?で、群馬県ってどこ?」
「知らないわよ」
またまた膨れる愛海にわたしは苦笑して、
「確か、関東の方じゃなかったかな。」
「関東かあ……遠いなぁ……」
愛海はそう言って天を仰いだ。
まあ、単なる思いついたってだけだろう。いつもの事だ。わたしは気にしない事にした。
「もうそろそろお昼休みが終わる時間になるよ、いこっ!愛海」
「うん、わかった」
親友の手を取って、屋上から階段を降りようとした時に後ろから声がかかった。
「ちょっと待ってくれないかな?矢沢さん」