Hair cuts

愛華の手紙

DEAR さくら

あたしと遊里が体を重ねたのは、寂しかったからです。

いつしか、あたしと浩人の心が通わなくなっていき、あたしたちはぎりぎりのところでどうにか繋がっていました。

そんな時、あたしの孤独と、遊里の孤独が重なってしまったのです。あたしは浩人を、遊里はさくらを求めていたのに、寂しさだけがシンクロしてしまったのです。

遊里と寝たのは一度きりです。勿論愛情なんかなかった。

でも、そのことがさくらにとっても浩人にとっても何の慰めにならないことはわかっています。

あたしたちは、大好きな二人を裏切ってしまいました。

だから、もう、あたしは浩人の側にいることができないし、そしてそれは遊里も同じです。

ねえ、さくら。あたしたち、どうしてこんな風になっちゃったんだろう?

FROM 愛華
出すに出せない手紙第五号
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