Hair cuts
「でも、なんで愛華なの?」
単刀直入に私は聞いた。
「なんでって?」
「いや、ほら。浩人…君って派手じゃない?だから同じように派手な子が好きなのかなって。それに、もてそうだし」
「ああ。確かにあいつはもてるね。けど、好きな子は意外と地味な子なんだ」
言ってから、遊里はしまったというふうに口を押さえ、
「いや、地味って言い方はないよな。つまり、控えめで可愛らしい子が好きなんだ」
そういい直した。
「そっか」
私はさり気なく腕時計に目をやった。二人がいなくなって三十分近くたとうとしている。
「時間、やばい?」
「あー、ちょっと」
時間よりも、話が弾まないのに困っていた。それに、浩人が愛華を連れ出したなら、もう私は用済みだろう。
「ちょっと浩人に電話してみるよ」
遊里はポケットから携帯電話を取り出し、耳に当てた。立ちあがり、少し離れた場所で電話をする。その後姿は浩人とよく似ていた。同じ髪型同じ色ににしていたら、後姿だけでは見分けがつかないかもしれない。
愛華はどうしているのだろうとぼんやり考えた。もちろん、愛華と恋愛話をしたことはある。愛華は今付き合っている人もいないし、気になる人もいないと言っていた。でも、入学式の日、浩人のことをかっこいいとも言っていたから、もしかしたらOKするかもしれない。強引な浩人に押し切られる確立も高い。
単刀直入に私は聞いた。
「なんでって?」
「いや、ほら。浩人…君って派手じゃない?だから同じように派手な子が好きなのかなって。それに、もてそうだし」
「ああ。確かにあいつはもてるね。けど、好きな子は意外と地味な子なんだ」
言ってから、遊里はしまったというふうに口を押さえ、
「いや、地味って言い方はないよな。つまり、控えめで可愛らしい子が好きなんだ」
そういい直した。
「そっか」
私はさり気なく腕時計に目をやった。二人がいなくなって三十分近くたとうとしている。
「時間、やばい?」
「あー、ちょっと」
時間よりも、話が弾まないのに困っていた。それに、浩人が愛華を連れ出したなら、もう私は用済みだろう。
「ちょっと浩人に電話してみるよ」
遊里はポケットから携帯電話を取り出し、耳に当てた。立ちあがり、少し離れた場所で電話をする。その後姿は浩人とよく似ていた。同じ髪型同じ色ににしていたら、後姿だけでは見分けがつかないかもしれない。
愛華はどうしているのだろうとぼんやり考えた。もちろん、愛華と恋愛話をしたことはある。愛華は今付き合っている人もいないし、気になる人もいないと言っていた。でも、入学式の日、浩人のことをかっこいいとも言っていたから、もしかしたらOKするかもしれない。強引な浩人に押し切られる確立も高い。