LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
郊外のこじんまりした料亭の離れ。

私は、零斗さんと向き合って二人で座った。

出された懐石料理を緊張しつつ戴く。


 
「実は、子どもが生まれることになりまして、

 はは、年甲斐もなんですが、

 今まで、結婚とか考えた事もなかったんですがね、

 私もいい歳になって、ずっとそばにいてくれる女が欲しくなりまして、

 この際、一緒になることにしたんです。」

少し照れながら、そう告げた、彼は、

幸せそうに笑った。

「そうなんですかそれはおめでとうございます。」

彗がいつか言っていた。

『親父は、人を愛したことがない。

 いや、自分しか愛してない。』

彗が言っていたことが本当なら、

今度は、愛することができたのなら、

それは、きっとそれは凄いことなのだろう。

愛する人に巡り合うっていうのは、

幸せなことだもの。


「あなたは実に素直な人だ。

 おかげで話も早くて良かった。」

そういって、私の手を握ると、

極上の笑みを浮かべて、

「渡していただけますよね?」

うわっ眼がちかちかする。

有名人の微笑みってこんなにパワフルなの?

良く有名人の実物に会ってみたら大したことなかったってなんて言う人がいるけど、

並の人間でないオーラってあると思う。

そして、そのパワーに押されて、私はうっかり頷かされていた。




< 162 / 272 >

この作品をシェア

pagetop