【BL】初恋いただきます。
と、宥めるものの効果はないようで。
「一度ぐらいお兄ちゃんって言ってみ?」
「……寝言は寝て言え。」
要さんの機嫌は悪くなるばかり。
「あ、えっと、凪さんはどうしていらっしゃったんですか?」
「ん?ちょっと面倒事に巻き込まれちゃってさ。しばらくの間、ここに泊めてもらおうと思って。」
凪さんは頬を指で掻きながら、困ったように笑った。
「巻き込まれたんじゃなくて、お前が元凶なんだろ。」
ボソッと要さんが呟いた。
聞こえたはずだけど凪さんは気にしていないようだった。
「ってことで、しばらくの間よろしくね。」
凪さんは要さんではなく、俺に手を差し出した。
「は、はぁ……」
と、思わず握り返してしまったけど……
「……おい、俺は良いと言ってな――」
「よーし、じゃあまずは家内探索かな!」
要さんの言葉を無視して、凪さんはソファーから立ち上がり、家中を歩き回り始めた。