【BL】初恋いただきます。
「せっかくハンバーグの材料買ってきたのにな。」
「ハンバーグ?」
「うん。凪さんが好物だって言うから。要さんも好物だったよ……?」
要さんが見る見るうちに顔をしかめる。
握り締めている両手は力の入れすぎで血の気が引いている。
「要さん?」
「―――…じゃない。」
「え?」
「……そんなもの好きじゃねーよ。」
吐き捨てるように言って、要さんは部屋へと足早に向かう。
俺は慌てて要さんの後を追って、手を掴んだ。
次の瞬間には、俺は要さんの腕の中にいた。
「要、さん?」
「………涼、」
「ん?」
「お前は俺のものだろ?」
まるで縋るような声音。
こんな要さんを見るのは初めてだ。
俺はそっと要さんの背に腕を回した。
「そうだよ。」
「……ならいい。」
相変わらず言葉はわがままで、
でも何だか凄く頼りなく見えて、
しばらくの間、何もせずただ抱きしめ合っていたんだ。