魅惑の果実
桐生さんに言われた通り、私はオレンジジュースを頼んだ。
柑橘類はアルコール分解を手伝ってくれる……って聞いたことがある。
「あ! 洋服、クリーニングに出して返すね」
「必要ない。 そのまま持っていればいいし、捨ててもいい。 姉も気にする様な人じゃない」
「でも……本当にいいの?」
桐生さんは視線を向けるだけで、それ以上は何も言わなかった。
こういう時はもう何も言わないのが一番。
やっと学習した。
「ちゃんと食事をしているのか?」
「うん、ちゃんと食べてるよ」
「また痩せたな」
そうかな?
体重計に最近乗ってないし、自分の姿は毎日見てるからか、よく分からない。
「じゃあご飯に連れてって! 私をまん丸にしてよ」
「そうだな」
え……キッパリ断られるかと思った。
まさかこんな曖昧な返事をされるとは思ってなかったから、ビックリした。
でも、キッパリ断られたほうが良かったかも。
こんな言い方されたら変に期待して待っちゃうよ……。
柑橘類はアルコール分解を手伝ってくれる……って聞いたことがある。
「あ! 洋服、クリーニングに出して返すね」
「必要ない。 そのまま持っていればいいし、捨ててもいい。 姉も気にする様な人じゃない」
「でも……本当にいいの?」
桐生さんは視線を向けるだけで、それ以上は何も言わなかった。
こういう時はもう何も言わないのが一番。
やっと学習した。
「ちゃんと食事をしているのか?」
「うん、ちゃんと食べてるよ」
「また痩せたな」
そうかな?
体重計に最近乗ってないし、自分の姿は毎日見てるからか、よく分からない。
「じゃあご飯に連れてって! 私をまん丸にしてよ」
「そうだな」
え……キッパリ断られるかと思った。
まさかこんな曖昧な返事をされるとは思ってなかったから、ビックリした。
でも、キッパリ断られたほうが良かったかも。
こんな言い方されたら変に期待して待っちゃうよ……。