魅惑の果実
どれだけ悩もうと、どれだけ悶々としようと、時間は流れるもので、気付けばもう十二月に入ろうとしていた。


明日香と健人は無事に付き合う事となり、自然と私と翔が顔を合わせる事も多くなった。


今日も放課後四人で集まりお茶している。



「いっつも思ってたんだけどさ、ちょこちょこ部活休んで大丈夫なの?」

「外でも試合でも馬鹿やんなきゃ大丈夫です」

「ふ〜ん、部活ってそんなもんなの?」

「うちのバスケ部の監督がそういう方針なんで、他は違うと思いますよ」



これまで部活なんて一度もした事ないからよく分かんないけど、先生によってやり方は其々って事だよね。


本当に実力主義な部活なんだな。



「美月も一緒に応援行こうよぉ〜」

「んじゃ、俺も一緒に行く〜」

「そうだね、タイミング合えば……」



翔と一緒に居たら女の子の視線が痛いから出来れば行きたくない。


彼女でもないのに変に絡まれても嫌だし……。





< 246 / 423 >

この作品をシェア

pagetop