魅惑の果実
____……。



「美月!!」



カフェでボーッとしていたら、明日香が慌ててやってきた。


止まっていた涙がまた溢れてくる。


店長とは会う気力がなくて、電話で辞める旨を伝えた。


しぶしぶといった感じだったけど、親が絡んでるというと頷いてくれた。


そして明日香に電話して話をしたら、急いで会いに来てくれた。



「私……っ、桐生さんと別れる」

「何言ってんの!? そんな事したら相手の思うツボじゃん!!」

「じゃあどうしろって言うの!? 他に選択肢なんてないじゃない!!」

「…………」



明日香は涙を零し、私の手をギュッと握った。


明日香の手の温もりにホッとした。



「ごめっ……でも……無理、だよ……美羽をまきこめ、ないっ」

「桐生さんに相談してみなよ? 力になってくれるよ!!」

「もしも拗れたら? そうなるくらいなら私が身を引いた方がいい」



そう言いながらも、好きな気持ちはどんどん溢れ出てくる。


どうしてこんな事になっちゃったのかな?


いくら考えても答えは出てこない。





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